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一般企業勤務の妻が、地方公務員の夫(コテツ・37歳)の体験談を聞き取って代筆/編集/公開しています。
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大学4年間で、俺は情報商材に100万円以上溶かした。
借金はしていない。アルバイト代と、親からの仕送りが、ぜんぶ消えただけだ。商材を買うときはいつも1〜3万円くらい。それを何個も並行で買った。コンサルとなると一気に話が変わって、10万円、30万円を払ったこともある。1個ずつは大した金額じゃないつもりだった。気がついたら、合計で100万円を超えていた。
この記事は、恋愛や副業や自己啓発の情報商材を「これは本物かも」と思って今ポチろうとしている人と、もう買ってしまって後悔している人に向けて書いた。100万円以上溶かした俺が、当時の自分にいちばん伝えたい言葉を、これから書く。もしあなたが今まさに「これ買おうか迷ってる」状態なら、最後まで読んでから決めてほしい。たぶん、買わなくて済む。

- 大学1年、深夜の検索窓に「好きな人を振り向かせる方法」と打ち込んだ夜
- 1〜3万円の商材を、並行で何個も買っていた
- 10万円が呼び水だった。30万円コンサルに踏み込んだ夜
- 都内100人の打ち上げパーティー。みんな、目の奥が真っ黒だった
- 別の業者からの追撃、10万円スカイプ対談「君ならできるよ」
- ファミレスで「お前さ、バカだな」と3時間ボロクソに怒られた夜
- 東京で、また同じ目をした人に会った
- なぜ俺は信じ続けてしまったのか:占い・風水・お守りハマり期
- 典型的な手口。今だからわかる構造
- 学長と出会って「本物」がわかった瞬間
- 今すぐできる「情報商材詐欺チェックリスト」
- このブログは、俺の遺書だ
- まとめ:同じ失敗をしてほしくない
大学1年、深夜の検索窓に「好きな人を振り向かせる方法」と打ち込んだ夜

沼の入口は、19歳の俺が深夜に開いた検索窓だった。「好きな人を振り向かせる方法」――そういう類のフレーズを、何度も何度も打ち込んでは、ネットでその答えを探していた。
大学1年。彼女ができたことがない。女の子とまともに話したこともない。コンプレックスの塊だった。友達にも相談できない。恥ずかしくて、誰にも聞けなかった。そんな夜に出てきたのが、ある恋愛系の発信者が出している商材だった。元ホスト系で「女性心理を知り尽くしている」と名乗っていた。
価格は29,800円――約3万円だった。当時の俺のバイト代は月6〜8万円、仕送りが月10万円。決して軽い金額じゃなかったはずなのに、俺はなんとなく「安いほうかもしれない」と思ってしまっていた。物の価値の判断ができていなかった、ということだ。
震える手でクリックして、PDFを夜通し読んだ。3ページ読んだあたりで、背中に冷や汗がにじんだ。「あれ?」という感覚があった。ネットの恋愛コラムを並べただけのような中身だったからだ。無料のブログでも読めるレベルだった。それでも、認めたくなかった。「俺の読み方が悪いんだ」「実践しないと意味がないんだ」と、自分に言い聞かせた。今思えば、ここで止まっていれば100万円以上は溶かさずに済んでいた。
1〜3万円の商材を、並行で何個も買っていた

1個目で満足はしなかった。なのに、買い物の麻痺だけが始まった。大学2年から3年にかけて、ナンパ系の情報商材、自称ブサイクの発信者の商材、売れ筋ランキング上位の商材。何にでも手を出した。恋愛系で気が済まなくなると、今度は「簡単に稼げる系」に流れた。FX、副業、自己啓発、マルチ寄りのオンラインスクール。なんでも買った。
1本あたりは、たいてい1〜3万円。「これくらいなら」と買って、PDFをダウンロードして、ろくに読まずに次へ行く。気づいたら、パソコンのフォルダに、読みもしないPDFが何十個も溜まっていた。RPGで武器だけ買い続けて、使い方を覚える前に次の武器を買っているような状態だ。1つも使いこなしていなかった。
1〜3万円のジャブを浴び続けて、金額の感覚が完全にバグっていった。3万円のときは「高いな」と思ったのに、半年後には10万円のオンラインプログラムが「安いかもしれない」と思えるようになっていた。そこから先、コンサル系に踏み込んでいく。
10万円が呼び水だった。30万円コンサルに踏み込んだ夜

大学3年の終わり、ある自己啓発系の長期プログラムに、本格的に巻き込まれた。「ここまで体系化された成功法則は他にない」というような売り文句だった。数か月にわたって、課題のメールが定期的に送られてくる。最初は筋トレ・健康・脳のメンテのような、無害なものから始まる。ところが、後半になるにつれて、こう変わっていった。
「自分の悩み・コンプレックスを商材にして、ブログで売れ」
つまり、これは何だったか。情報商材屋を、ゼロから育てるためのネズミ講のような仕組みだった。俺が買わされていたのは「成功するための講座」じゃなくて、「次のカモを生み出すための養成プログラム」だった。そう気づいたのは、ずいぶん後だ。当時の俺には、まったく見えていなかった。
入口は10万円くらいだった。当時の俺にとっては、ギリギリ手が届くか届かないかの金額だ。それでも、なんとか踏み出してしまった。すると、そこから先のメールが、目に見えて変わった。「さらに稼げる方法があります」「もっとわかりやすくまとめた資料があります」「これなら、10万円で結果が出なかった人でも稼げます」――追加で30万円の商材が、畳み掛けるように降ってきた。
俺は、それにまんまと乗ってしまった。理由はひとつ。ここで何としても結果を出して、自分で稼げることを証明して、大学卒業後はこの道で個人事業主として食っていく――そんな未来を、本気で夢見ていたからだ。今思い返すと、惨めで恥ずかしい話だ。バイト代、親からの仕送り、もらっていた奨学金。全部かき集めて、振り込んだ。マウスを握る手は震えていた。それでも、確認ボタンを押した。「これで人生が変わる」と、本気で信じていたからだ。
振り返れば、俺は完全に飲み込まれていた。当時の俺には、自分が誘導されていることすら、まったく見えていなかった。
都内100人の打ち上げパーティー。みんな、目の奥が真っ黒だった

プログラムの打ち上げパーティーのようなものが、都内の会場で開かれた。参加者は100人以上。会場の正面には「一番稼いだ人に賞金何十万」「Macのノートパソコンプレゼント」と、表彰用の景品が並んでいた。
俺が座らされた円卓には、稼いだ人はゼロだった。誰も話さない。みんな、自分も搾取されている側だと気づいていたんだと思う。隣の卓も、その向こうの卓も、ぱっと見の雰囲気は同じだった。参加者の多くが、目の奥が真っ黒に沈んだような、独特の目をしていた。笑顔を作っていても、目だけは笑っていない。あの夜の景色を、俺は今でも鮮明に覚えている。何年か経って、東京で似た目に再会することになるとは、当時の俺は知る由もなかった。
一次会では、主催者が円卓を回って一人ひとりに挨拶していた。俺の前にも来た。でも、俺は何も話せなかった。何を話していいのか、本当に言葉が出てこなかった。
そのあとの二次会は、500円のじゃんけん大会で盛り上がって、終わった。参加者同士でじゃんけんしあって、最後に勝ち残った一人が、出した500円玉を全員分まとめて総取りする――そういうやつだ。今振り返れば、ネズミ講の構図そのものだったよな、と思う。みんな笑っていた。俺だけ、笑えなかった。会場を出たあとの夜の空気が、やけに冷たかったのを覚えている。
別の業者からの追撃、10万円スカイプ対談「君ならできるよ」

30万円のコンサルを払ったのに、思っていたような成果は、いつまで経っても出なかった。普通ならここで「もうやめよう」となるはずだ。でも、当時の俺はそう考えなかった。「自分の能力値が足りないのが原因だ。だったら、自分のレベルそのものを上げるしかない」――そう思い込んだ。
残り少ない大学生活のなかで、効率的に稼ぐための勉強と知識の吸収を、何倍速にもしなければいけない。そう信じ込んだ俺は、30万円コンサルと並行して、別の業者の商材を片っ端から買い始めた。情報商材屋同士は、リストを共有しているのか。似たような誘いのメールが、立て続けに届いた。「3時間睡眠で活力を持って動けるメソッド」「メール文章を速読・短期記憶する技術」。脳の使い方、時間管理、自己暗示。なんでも買った。極めつけは、こうだった。
「私の師匠との1時間スカイプ対談が可能です」――10万円。
当時の俺は大学4年生で、残された時間で何か成果を出さないと、というあせりだけで動いていた。気がついたら、また振り込んでいた。スカイプの向こうの人物は、こう言った。「君ならできるよ」「君の声には、稼げる人の声色がある」。当たり障りのない、誰にでも言える言葉だった。それでも、当時の俺は、その言葉にしがみついた。あの時の音声データは、今はもう全部処分してある。残しておく価値も、聞き返す勇気もなかった。
ファミレスで「お前さ、バカだな」と3時間ボロクソに怒られた夜

大学4年の11月。俺はもう、就職活動の準備すらしていなかった。
クリスマス前、生活費を稼ぐために、いくつかのバイトを掛け持ちしていた。交通量調査は日給1万円。車で1時間かけて現地まで行って、寒空の下、12時間カウンターを押し続ける仕事だった。今でも忘れないのは、22歳になる大学4年の誕生日を、まる一日、この交通量調査の現場で過ごしたことだ。親からも、当時のボランティアサークルの仲間の何人かからも、ちゃんとお祝いの連絡は来ていた。でも、当時の俺はそれにまともに返事をする余裕すらなかった。情報商材で大金を溶かして、その穴を埋めるためにこうしてカウンターを押している――そんなみじめな現実、恥ずかしくて誰にも言えなかったからだ。あの寒空の下で、ただ黙々と車を数えていた誕生日は、20代でいちばん悲しい一日として、今でも俺の中に残っている。
大学時代に住んでいた街の大きな商業ビルでも、年末の短期スタッフを2週間やった。慣れないリクルートスーツを着て、朝から晩までフロアに立ち続けて、約14〜15万稼いだ。
そして夜は、下宿先のアパート近くにあった古民家改装のダイニングキッチンバーに入っていた。大学1年の秋から大学4年の終わりまで続けた、自分の中で軸になっていたバイトだ。最初は皿洗いから入ったが、いつのまにか調理もホールも一通り任されるようになっていた。気がついたら、店内のスタッフの中で1、2を争う活躍をしていて、大抵のことは俺に振られるようになっていた。
大学にはほとんど行かず、昼も夜もバイトに溶けていた。実態は完全にフリーターだった。情報商材とネットワークビジネスに引っ張られながら、生活費を稼ぐので精一杯。恥ずかしくて、みじめで、親にも友達にも、誰にも相談できなかった。
そんなある日、俺は1本の電話をかけた。相手は、大学のボランティアサークルでお世話になっていた、大学事務員のおじさん。当時40代の方で、現役時代は何億も扱った元起業家だった。バイトに入る前、「進路のことで、相談したいことがあります」とお願いした。返ってきた答えは、「バイト終わりに、もう一度電話して」だった。
夜10時。バーの仕事を終えて、もう一度電話した。おじさんは、こう言った。「今すぐ、近くのファミレスに来れるか」。俺は、原付に飛び乗った。
ファミレスで、パソコンを開いて、買い込んだ情報商材のフォルダを全部見せた。そして、こう打ち明けた。「実は、情報商材にハマってしまって、100万円以上溶かしました。就職活動もしていません。どうしたらいいか、わかりません」
おじさんは、画面をしばらく見ていた。そして、こう言った。
「お前さ、バカだな」
そこから3時間以上、おじさんは目を充血させながら、真剣な眼差しで、本気で俺を怒ってくれた。俺は涙が止まらなかった。ファミレスのテーブルで、目を真っ赤にして、ぼろぼろ泣いた。他の客がどう見ていたかも、店員がどう思っていたかも、もう気にならなかった。あのテーブルだけが、修羅場だった。
おじさんには、翌日の朝から、大学事務の仕事があったはずだ。それなのに、深夜まで俺に付き合ってくれた。あの夜、俺はようやく目が覚めた――情報商材屋に騙され続けた自分が、どれだけ愚かだったかを、骨身に染みて思い知らされた夜だった。
30万円のコンサル本体には「返金保障」という規定があった。ダメ元で交渉して、一部だけ取り返した。残りは、戻ってこなかった。でも、ファミレスで叱ってくれたあのおじさんがいなかったら、俺はたぶん、もっと深い沼に沈んでいた。俺の人生を救ってくれたのは、情報商材屋じゃなくて、ファミレスで3時間以上怒ってくれた、ほぼ他人のおじさんだった。
東京で、また同じ目をした人に会った

大学を卒業して、東京の高級寿司屋で働いていた頃の話だ。3.11の翌日、面接に行って、内定をもらった店だ。週6で立ちっぱなしの過酷な労働だった。月曜の休みになると、なんとなく人恋しくなって、ネットで知り合った人たちのオフ会に顔を出していた。その頃の俺は寂しかった。気が合えば誰でもよかった、と今振り返れば思う。
あるオフ会で知り合った同年代くらいの女性と、別日にターミナル駅の喫茶店で二人で会うことになった。蒸し暑い夏の昼下がりだった。少し雑談したあと、相手がカバンからパンフレットのようなものを取り出して、こう言った。「私、こういうのやってんだよね」
マルチ商材だった。金額がいくらだったかは、正直、もう憶えていない。ただ、マルチだったことだけは、なんとなく記憶に残っている。そしてそれ以上に強烈に残っているのは、次の一瞬の出来事のほうだ。
俺は思わず口に出してしまった。「そういうの、本当ないと思うよ」――今思えば、完全に言い方が悪かった。相手が頑張って取り組んでいることを、結果として全否定するかたちになってしまったからだ。次の瞬間、相手は出されたコップの水を、俺の顔に思いきりぶっかけてきた。一瞬の出来事だった。本物の修羅場っていうのは、こういうことを言うんだろう。蒸し暑い夏の日だったから、シャツの濡れだけは、やけにあっさり乾いた。
10秒ぐらい、お互い無言だった。冷静になって、俺は自分から謝った。「言い方が悪かった、ごめん」と。相手も謝ってくれた。でも内心、俺は冷静に判断していた。
この人の目――黒く沈んだような、独特の目。あの目を、俺は前にも見たことがあった。大学時代、100人パーティーの会場で、隣の卓でも、その向こうの卓でも、参加者のほとんどが浮かべていた、あの目だ。あの夜、俺は「次に同じ目をした人に会ったら、もう絶対に金を払うまい」と心のどこかで決めていたんだと思う。
その日のお茶が終わって、二人ですぐ解散した。俺は、この人を悪く言いたいわけじゃない。マルチに引き込まれて、本人もきっと苦しかったはずだ。悪いのは、いつだってその仕組みのほうだ。大学時代の俺は、こういう目をした人たちに100万円以上を払ってしまった。東京で同じ目をした人にもう一度出会えたあの夏、ようやく俺は、お金を払わずに済んだ。あれが、100万円以上の大金と引き換えに、たった一つだけ俺が手に入れた収穫だったと思う。
なぜ俺は信じ続けてしまったのか:占い・風水・お守りハマり期

情報商材の話には、もう一つ恥ずかしい背景がある。実は俺、ずっと前から「アイテム1個で人生が良くなるならコスパ最強」と思いがちなタイプだった。これは大学のあとも続いた。
高校時代は、少年ジャンプの後ろの方に載っていた怪しげな広告を見て、ブレスレットを買った。広告には、札束と美女に囲まれた、目元にモザイクがかかった小太りの中年男性が写っていて、「これをつければ幸運が舞い込む」という謳い文句が躍っていた。今振り返れば、まんま情報商材の原型みたいな広告だ。でも当時の俺は「これがあれば人生が変わるかもしれない」と本気で信じて、自分の部屋で毎日のように好きな子のことを考えながら祈っていた。実際に話しかける勇気を出すでもなく、ただ祈るだけだった。大学時代は、アクアマリンのパワーストーンブレスレットに乗り換えた。社会人になってからも、その癖はなかなか抜けなかった。
結婚してしばらくのあいだ、子どもになかなか恵まれない時期があった。何年たっても授からない。そのとき俺は、本屋で手に取った風水術の本を買ってきて、ベッドの向きをスマホのコンパスで測って北枕に変えた。本に付属していた邪気払いシール・運気アップシールを、寝室の柱、トイレ、リモコンのスイッチ蓋の中、額縁の裏側に、妻にバレないようにこっそり貼った。子宝のご利益があると書かれていたザクロの絵画を、寝室と玄関に飾った。スマホの待ち受けは、コウノトリが赤ちゃんを運んでいくイラストにした。そこまでして、ただただ「赤ちゃんが欲しい」と祈っていた。
当時の妻は、表面上は「やりたいんだったらやってみたら」と、軽く笑って容認してくれていた。俺はそれを「理解してくれている」と思い込んでいた。本当のところを知ったのは、長女が生まれてしばらく経ったある夜、ふとした会話の流れで妻が打ち明けてくれた時だ。「あのときはね、内心めちゃくちゃ引いてたよ。この人ちょっとヤバいかもしれないって。でも、頑固なあなたと正面からぶつかっても意固地になるだけだろうから、何も言わなかっただけ」――そう聞かされて、俺は何も返せなかった。あの時期、俺は本当に何も気づいていなかったということだ。
振り返ってみると、占いも風水もパワーストーンも、構造そのものは情報商材とぴたりと重なる。中身を売っているように見えて、本当に売られていたのは「信じたい気持ち」のほうだった。中身が空っぽの壺を「これには御利益があります」と言って高値で売りつける、いわゆる霊感商法と、根っこはまったく同じだった。そこに気づくまで、俺はたっぷり3年くらいかかった。両学長の動画に出会ってから半年〜1年かけて、ようやく「俺にとって占いも風水も不要なものだったんだな」と静かに整理がついていった。マルチや宗教についても、人を責めるつもりはまったくない。価値観が違うものからは、俺は喧嘩せず、ただ静かに距離を置く。それだけのことだ。一晩で全部わかったわけじゃない。徐々に、徐々に、自分から剥がれていった、というのが一番近い感覚だ。
典型的な手口。今だからわかる構造

当時の俺が引っかかった商材には、共通の構造があった。
- 「今日だけ特別価格」「先着10名限定」「残り時間:00:23:17」のカウントダウン
- 「俺もダメだった時代がある」という共感系のストーリー
- 「これを買えば人生が変わる」というbefore/after
- 顔出ししない、または顔出ししても怪しい雰囲気
- 「特別なあなたにだけ」という選民感
- SNSのDMで突然の勧誘
- 会員制コミュニティへの招待で「仲間」という空気を作る
当時の俺は、全部「すごい!」って思っていた。業者の勧誘には、3段のステップがある。
- 不安をあおる:「このままじゃヤバい」「同年代に置いていかれる」
- 既存の価値観を否定する:「努力しても無駄」「学校で教わったことは古い」
- 対案として高額商品を出す:「これだけが正解」「今だけ特別」
この3段が揃った瞬間に、その場から離れろ。向こうはプロだ。素人が片手間で勝てる相手じゃない。「迷い」も「焦り」も「悔しさ」も、全部ひっくるめて、買わせるための燃料として使い込んでくる。当時の俺は、自分の感情で動いているつもりだった。でも実際は違った。動かされていた、というほうがずっと正しい。
悪いのは、お前じゃなく、構造のほうだ。これは、100万円以上溶かした俺が、当時の自分にいちばん伝えたい言葉だ。
学長と出会って「本物」がわかった瞬間

そこから10年以上経って、俺は両学長(リベ大の運営者・YouTubeでお金の知識を発信するチャンネル運営者・登録者数は数百万人規模)の動画に出会った。スノボー帰りの車内で、新NISAの解説を探していて、たまたま流れてきた。パンツ一丁のしゃべる怪しげなライオンの動画だった。最初は「また怪しいやつか」と思った。
でも、最初に動画を見た時、不思議な感覚があった。「この人、何も売ろうとしていない」その違和感が、強烈に印象に残った。次第に、全部の動画が有料級にためになると気づいた。「マルチ商法・ぼったくり保険・情報商材屋とは違う、本物の人に出会えた」と感じた。これは、それまで100万円以上を偽物に騙されてきた俺だからこそ、骨身に染みてわかった。
俺が大学時代に100万円以上払って手に入れたPDFと、両学長がYouTubeで無料で配信している動画は、本質的に同じレベルだった。いや、学長の方がよっぽど深かった。無料で手に入る本物より、有料の偽物に金を払い続けていた、ということだ。
本当に稼いでいる人は、稼ぎ方を情報商材で売らない。それを知るのに、俺は100万円以上かかった。
今すぐできる「情報商材詐欺チェックリスト」

当時の俺が知りたかったチェックリストを置いておく。1個でも当てはまったら、絶対その場では買うな。
- 「今だけ」「限定」「先着」「残り○枠」のカウントダウンがある
- 「絶対稼げる」「リスクゼロ」「100%返金保証」と言っている
- 顔出しなし、または素性が不明
- SNSのDMから勧誘が来た
- 「特別なあなたにだけ」と言われた
- 「仲間に入りませんか」と高額コミュニティに誘われている
- 家族や友人に「絶対言うな」と言われている
- 無料セミナーの後に高額商品を出された
1個でも当てはまるなら、その場では絶対に決めない。いったん家に帰って、1週間考えてみてほしい。その間に家族や友人にも話してみる。そのうえで、それでもまだ買いたいと思うかどうか、もう一度自分に問い直してほしい。
ここまで「稼げる系」の情報商材を中心に書いてきた。でも、これは別に稼ぐ系に限った話じゃない。恋愛系の情報商材だって、結局は同じだと俺は思っている。恋愛だって、最後は自分が動かなければ何も始まらない。情報商材を買ったから、好きな人と付き合えるようになるわけじゃない。動くのはあくまで自分のほうだ。
稼ぐも、恋愛も、自己啓発も、ダイエットも――どんなジャンルであれ、情報商材っていうのは、「情報弱者」を相手取った、体のいいビジネスだと、俺は今そう思っている。やっている人を攻撃したいわけじゃない。ただ、「情報商材を買えば、あとは何もしなくても全部が報われる」みたいな夢物語は、絶対に存在しない。これだけは、100万円以上を払って、骨身に染みて学んだことだ。
たぶん、この『コテツの妻』のブログをここまで読んでくれているような人は、わざわざ情報商材なんかに手を出す必要はないと思う。だって、商材の中身に書かれていることなんて、その辺の書店で1,500円の本を1冊買えば、ほとんど同じことが書いてある。「一部の人しか知らない裏技」みたいなものが、もしかしたら本当にどこかにはあるのかもしれない。でも、ゴミの山から宝を見つける楽な道を探しているうちは、絶対に宝は手に入らない。
宝は、トライアンドエラーの積み重ねの先にしか落ちていない。何度もコケて、何度も恥をかいて、何度も「もうダメだ」と思いながら、それでも次の一歩を踏み出した人だけが、結果的に手にしている。これは、平凡な俺が、100万円以上を溶かしてようやくたどり着いた、ただひとつの真実だ。
このブログは、俺の遺書だ

正直に言うと、このブログには、もう一つ意味がある。これは、俺の遺書みたいな意味も込めている。俺は、いつ何があってもおかしくない人生を歩んでいる。だから、俺が経験して得た教訓は、世代を超えて、できれば次の代に引き継ぎたい。
特に、我が家の幼い子には。あの子には、男を見る目を養ってほしい。俺みたいに、コンプレックスで判断力を失った人間にも、情報商材を売りつけてくる側にも、絶対に近づいてほしくない。箱入り娘も違う。ダメンズウォーカーも違う。自分の中に軸を持って、自由に生きてほしい。
そのために、俺は自分のいちばん恥ずかしい話を、こうやって全部書き残している。俺が大学時代に溶かした100万円以上が、もし誰かの数万円の決断を救えるなら。あるいは、20年後にこの記事を読んだ我が家の子が、変な男に騙されずに済むなら。それで、あの大金は、ようやく報われると思っている。
まとめ:同じ失敗をしてほしくない

俺が最後に言いたいのは、たったひとつだ。本当に稼いでいる人は、情報商材を売らない。このことだけは、頭の片隅でいいから刻んでおいてほしい。
そしてもう一つ。これは稼ぐ系に限らず、恋愛系でも、自己啓発系でも、何系の情報商材でも同じことだけど――買った人の「結果」を保証できる商材なんて、本当はこの世に存在しない。稼ぐにしても恋愛にしても、結局その人の性格、置かれた環境、現在のレベル感、向き不向き、それぞれ違うからだ。両学長も、初心者が「自分で稼げる」状態になるまでには、年単位の時間と途方もない試行錯誤が必要だと、繰り返し動画で話している。情報商材1本でショートカットできるような世界では、そもそもないんだ。
恋愛だって同じだと思う。情報商材1本ですぐ結果が出せるような人は、たぶん遅かれ早かれ、わざわざ商材なんかに頼らなくても自分で結果を出せるだけの、もともと高いレベルやセンスを持っていた人なんだろう。たぶん、そういう人は最初から沼にハマらない。
じゃあ、俺みたいな平凡な人間はどうすればいいか。答えはひとつしかない。とにかくトライアンドエラーを繰り返すしかない。失敗して、考え直して、もう一回やってみる。これを何度も何度もやって、自分なりの必勝法、自分なりの成功法則を、ゆっくり手探りで見つけていく。これしかない。
もし「とにかく知識武装したい」というのであれば、わざわざ高額の情報商材に飛びつかなくていい。書店で恋愛本やお金の本を、自分の感覚で3〜5冊買って読み込んでみる。それで十分だ。書いてある内容に、そこまで決定的な差はない。仮に情報商材に、本当に「秘密の飛び道具」みたいなテクニックが書かれていたとしても、買った人がそれを実戦で使いこなせるかというと、ほとんどの場合は無理がある。商材には、再現性がないからだ。稼ぐにしても、恋愛にしても、ダイエットにしても、これは同じだと思う。
だからこそ、トライアンドエラーで、自分の手で見つけていくしかない。遠回りに見えて、それが結局いちばん早い道だ。俺が大学時代に100万円以上を払ってようやく学んだ「いちばんの結論」を、最後にもう一度、ちゃんと書いておく。
もしあなたが今、何かを買おうか迷っているなら、その場では絶対に決めるな。「今だけ」「限定」「返金保証」という言葉が出てきたら、その場では絶対に決めるな。お金を払う前に、必ず立ち止まれ。
もし今、あなたのブラウザに「申込ボタン」が表示されているなら――いったんタブを閉じてくれ。1週間考えて、それでもまだ欲しいか自問してくれ。家族や友人に話してくれ。それでも止められなかったら、その時はもう一度ボタンを押せばいい。1週間も待てない商材は、たぶん偽物だ。
俺が払った代償が、誰か一人の数万円を救えたなら。それで十分だ。

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